日々精一杯生きるといふこと「廃墟の鯨」
先日、友人の誘いで行ってきたのでメモ。
少し間が空いてしまったので、うろ覚えはご愛嬌ということでご容赦願います。
台詞とかニュアンスです。すみません。
~2014年夏・花園神社野外劇~
『廃墟の鯨』 椿組×東憲司
戦後。焦土と化した海辺の街を舞台に、明日を夢見る人々の群像劇・・・
復員兵、やくざ、娼婦、名も無い人々・・・みんな人間、人間まんま!!
※HPより抜粋廃墟の鯨
先にもあるように、時は戦後。
食べ物に換えるため、山のような死体から靴を剥ぎ取る青年 満(ミツル)。
その横で奇妙な歌を歌う耳の不自由な戦争孤児 チビ助。
そこに、満州から引き揚げてきた女 渡(ワタリ)が靴をたんと抱えてやってくる。
渡は満に、靴も飯もやるから住むところを世話しろと言う。
自分が姉2人と暮らす、スラムの長屋に渡とチビ助を連れて行く満。
すると、長屋が何やら騒がしい。
住人の芳野(ヨシノ)がやくざに暴行されており、芳野の妻が夫を庇って泣き喚いている。
どうやら芳野という男、戦中は赤紙配達人で津留橋(ツルハシ)という女に、旦那を徴兵から逃すことを条件に
食料やら何やら貢がせた挙句、結局旦那は徴兵され命を落としたとのこと。
さて、この津留橋という女、現在はやくざに囲われる「肉の防波堤」と呼ばれる娼婦 。
旦那を失った恨みを晴らそうと、やくざを連れて長屋にやってきたのである。
一連の騒動をみた渡は「人のせいにしないと生きられないなんて可哀想な女だ」と津留橋に言い放つ。
渡がピストルを持っていることもあり、オボエテイヤガレ!と退散するやくざと娼婦。
話は長屋に戻る。
満は長屋の女将に渡を住まわせてくれと頼むが、渡はさっきまでピストル片手にやくざや娼婦とやりあっていた見ず知らずの女。
しかもチビ助の面倒までみると言う。怪しい…怪しすぎる…
しかし懐の深い、渡さん。チビ助の分も家賃を払うとのこと。家賃倍?じゃぁオッケー!と案外あっさり入居が決まる。
ある日のこと。例の「肉の防波堤」の娼婦4人が長屋に逃げ込んでくる。
娼婦の一人ノンコが病気で商売にならない。逃げて来たから匿って欲しい、と。
娼婦の足抜けを手伝うなんて、やくざを敵にまわすようなもの。
面倒事が嫌な長屋の女将は勿論断る。
渡は一人千円ずつプラス桜の苗木で足抜けを手伝ってやると言い、
ノンコにペニシリンを打った後、女たちをやくざのもとへ返す。
その頃やくざ達は大事な商売道具が4人も逃げた!と大騒ぎ。
八幡(ハチマン)という男に脱出の手助けをした容疑がかかる。
八幡テメェコノヤローとなったところに、親分のお気に入りやくざ嵯峨野(サガノ)が登場し「まぁまぁ兄さんたち、まだこいつが仕掛けたと決まったわけじゃねぇですぜ」と嗜める。
だが八幡を庇ったのは手柄を独り占めにしようと目論む嵯峨野の策略。
やくざ連中がゴタゴタしているところに娼婦4人が帰ってくる。
-米兵の相手してたらお駄賃くれなくて、てんでやってらんないよー。足抜け?何言ってんだいあたいら帰ってきたじゃぁないか!全部米兵が悪いのさ。八幡?知らないね。ボコられて馬鹿じゃないの?
-あ、そういえば、敵対する組が進駐軍と協定を結んだって聞きましたよ兄貴!
さて、進駐軍は嵯峨野の管轄。
-嵯峨野テメェうちと進駐軍との協定はどうなってんだ仕事しろよコノヤロー。
兄貴たちおこ。嵯峨野さん涙目。
ちょっと話つけてくるっす!と退場。
やくざが皆はけたところでボロボロの八幡に駆け寄る娼婦たち。
-お前ら…折角俺が手引してやったのに、なんで戻ってきたんだ…
渡に言い渡された条件を八幡に伝える娼婦たち。
-さっきの言い訳も、その女(渡)の入れ知恵なんだ。引き揚げ者の変な女だよ。変なガキが鯨がどうとか言ってたな。
-その女、名前は?
実は八幡は満州で渡の父が経営していた「満州花屋鯨の桜」に勤め、渡と恋仲にあったのである。
渡がチビ助に、そしてチビ助が娼婦に話した鯨の話はその会社の社訓だった。
渡と同じように渡の父も人助けをし大変に人望の厚い人間だったのだが、病で亡くなり、その跡を継いだのが渡だった。
八幡は桜の苗木を持って渡に会いに長屋を訪れる。
さて、4人が帰ってきたとはいえ、渡に可哀想と言われたことが腑に落ちない津留橋。
長屋に押しかけ真意を確かめよう!とやくざ達と長屋へ向かう。
-八幡お前ここで何してやがる?やっぱりお前が逃がしたのか!女将、昨日この女達が訪ねてこなかったか?
-娼婦なんか知らないよ。面倒は御免だね!
-本当のことを言った奴には三百円やるぜ。
-本当かい?…昨日訪ねてきたのは…
金に目がくらんだ女将が口を割ろうとしたその時ー
-この女だよ。
渡は津留橋を指差す。
-馬鹿言ってんじゃないよ。皆、こんな何処の馬の骨ともわからない女の言うことを信じるのかい?
-でも、確かに姐さん、昨日見かけなかったけど、どこにいらしてたんですかい?
やくざや娼婦達が津留橋に疑念を抱き始めたとき
芳野への酷い仕打ちを目撃し、渡が4人の手助けを買って出たことを知っている長屋の住人たちも津留橋を指差した。
-津留橋テメェ二度と商売できないようにしてやる!
…結果、津留橋はやくざに散々焼きを入れられ、化け物のような顔にされた挙句杖をつかないと歩けない身体になり長屋に匿ってもらうことになる。
娼婦の足抜け騒動でゴタついていたやくざだが、敵対する組との抗争が勃発。
と、言ってもこっちは「肉の防波堤」を主な生業とする弱小やくざ。
嵯峨野が敵に寝返り、娼婦たちを取られ、肥えの掃除をすることになる。
娼婦たちを取られたと言っても、実は大多数の娼婦は敵対するやくざの待遇が悪いことを理由に、渡を頼って長屋に逃げ込んでいた。
ラストは長屋に娼婦たちがいることがわかり、渡&八幡&住人×やくざ×敵のやくざの大バトル!
渡は、やくざは、娼婦たちはどうなるのかーーー。
結末だけ残さずに締めさせていただきます。
「人間まんま生きる」というテーマはとても難しいけれど、お話の中の人たちが、みんな不器用でも一生懸命生きていることが伝わってきて、もっと素直に真っ直ぐに生きなければならないと思いました。泣いた。
書けていない魅力的な役がたくさんあって、演者さん達は役者冥利につきるお芝居だろうなぁ、と羨ましくもなりました。
渡さん、嵯峨野さん以外のお気に入りは
*ヤクザ親分:梶原
*娼婦:景代
*廃墟ノ街ヲ訪レル男:早乙女
*飲んだくれの男女:ヘエボウ
それにしても渡さんが本当に身のこなしも器量も男前な女性でかっこよかった。
ひゃー長くなっちゃったー
書けてないこといっぱいあるなぁー
でもメモだしまいっか☆
それでは。